髪の毛に関して、以前よりもみんな気にし過ぎになっているように思います。自分で気にするのと、他人が人の頭を見てあれこれ言うのと両方です。
まず、テレビで男性の薄毛や禿げに関してのCMをよく見るようになりました。CMからは2つのメッセージを感じます。1つは「薄毛や禿げの方は多いので心配しなくても良いです。」もう一つは「薄毛や禿げは病院で相談する必要があります。」と聞こえます。画面ではいわゆるM字禿げと呼ばれる状態の頭髪が映ったりします。
しかし、こういう頭髪の老化の状態の男性は昔からたくさんおられて、ご本人はさておき、周囲でとやかく言わなかったと思うんです。私も数年前まで、薄毛や禿げている男性の頭を特に気にもしなかったのですが、何度もテレビで<薄毛や禿げは良くないもの>的に見せられて、最近は男性の頭の状態がよく目に入るようになってしまいました。
また、有名人や芸能人の方達の頭の状態も本当によく話題に出ます。一番に思い浮かぶのは、鶴瓶さんです。よくご自身のM字禿げの状態を笑いにしておられますが、繰り返し言われることで<M字禿げはおかしいもの>と感じるようになります。また、よく聞くのがカツラかどうか...という話です。アメリカの大統領の頭もかなり話題になりました。アメリカのテレビ番組に生出演して、毛を手で引っ張りながら「イッツ マイ ヘア」と言っておられたので、頭に関する興味は世界的なもののようです。本当は、政治家がカツラかどうかはどうでも良いことなんですけどね。
こんな風に、世の中で髪の毛のことをあれこれ言うようになったのはなぜなのか...と考えると、私は老いることへの恐怖から来るのではないか...と思っています。薄毛や禿げることは、シンプルに言ってほとんど老化現象です。仕方ないことです。人に対して「ずーっと20才でいなさい」と強要するようなものです。そうなるのは、高齢化社会が進んでいるからでしょう。
昔は「人生50年!」と言われましたから、40代くらいは体が老化してくる人も多いのです。(もちろん個人差はありますが) でも最近の状況から、40才くらいではまだまだシャキシャキ元気でいなくてはいけない雰囲気があります。体は鍛えて、お肌はお手入れで、ある程度若々しくは出来ます...が、髪の毛の量まではなかなか難しいでしょう。
若くて薄毛の方が悩むのは仕方ないとして、ある程度の年齢になったら、髪のことをあまり気にし過ぎない方が良いと思います。そして、他人が人の頭の状態を薄いとか禿げてるとかいちいち指摘するのはイジメなので、こちらもやめるべきだと考えます。