ミスター・ロンリーの映画の感想!自分以外の人格で生きる人々

映画「ミスター・ロンリー」は2007年制作のフランス・イギリス合作映画です。マイケルのそっくりさんとモンローのそっくりさんが出会い、マイケルはモンローにほのかな恋心を抱きます。

2019年6月23日にTOKYO MXで放映されます。見逃した方や観れない方は、こちらで現在は観れますので参考にしてください。期間限定なので、最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。

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地上最大のショー

モンローはチャップリンのそっくりさんと結婚していて、チャップリンは独占欲が強いという設定です。ベッドでモンローがチャップリンに「アナタがときどきチャップリンじゃなく独裁者に見えるの」というシーンは映画通をうならせます。

共同生活を送るモノマネ芸人らが“地上最大のショー”と題しモノマネショーを企画します。

しかし辺鄙な田舎の古城で、二流三流のそっくりさんらが「地上最大」と題してショーを企画するのは、かなり皮肉なセンスというのが率直な感想です。

キャスト

上映時間は111分。ハーモニー・コリン監督がメガホンを取ったラブストーリーです。主演に「天国の口、終りの楽園。」のディエゴ・ルナ、共演に「ギター弾きの恋」のサマンサ・モートンが配され熱演しています。

他にチャーリー・チャップリン(モノマネ芸人、マリリンの夫)役にドニ・ラヴァン、レナード(エージェント)役にレオス・カラックス、アンブリオ神父役にヴェルナー・ヘルツォークが配されています。

ボビー・ヴィントンが歌う『ミスター・ロンリー』

感想の第一番目はミスター・ロンリーというタイトルから想起される、ボビー・ヴィントンが歌う『ミスター・ロンリー』が懐かしいです。数十年前に大ヒットしたこの曲は、ラジオの長寿番組『ジェットストリーム』で35年以上にわたって主題歌として使われてきたお馴染みの名曲です。

画面に『ミスター・ロンリー』の全曲が流れたのちスクリーン上に映るのは、パリのストリート上でマイケル・ジャクソンのパフォーマンスをくり広げるアメリカ人モノマネ芸人の主人公マイケル・ジャクソン(ディエゴ・ルナ)。

外国ではよく見かける風景ですが、そのパフォーマンスの早業はお見事。通行人はそれをニヤニヤしながら眺めているだけで、コインを投げ入れてくれない様子です。そんなマイケルに老人ホームへの慰問の仕事を出したのは、エージェントのレナード(レオス・カラックス)でしたが、なぜかその会場には、マリリン・モンロー(サマンサ・モートン)が登場します。

マリリンに扮するサマンサ・モートンは『エリザベス』でスコットランド女王メアリー・スチュアートを演じていた女優です。幽閉されながらも女王らしい気品を見せていましたが、『ミスター・ロンリー』では、愛嬌たっぷりでユーモラスな雰囲気がいっぱいです。

そんなマリリンですが、実は彼女は既に結婚しており、7歳の娘もいるらしい様子。夫のチャーリー・チャップリンは娘と共にスコットランドの山に囲まれた古城で、モノマネ芸人たちと共同生活をしているとのこと。そこでマリリンに一目惚れしてしまったマイケルは、彼女に誘われ、スコットランドに旅立つことになります。

感想は暗いです。マイケル(ディエゴ・ルナ)がラストに出す結論も苦くて暗いものです。「どこをみても病んだ世界。闇(死)は必ず訪れる。逃げ場はない。むしろ受け入れ孤独でいたい」、「すべてが幻影だ、夢なのだ。終止符を打つときだ。夢は長続きするはずがない。

人はなにかを探している

人はなにかを探している。大きな夢を抱いて。だれもが向上しようと答えを探している。答えはでているのにそのことに気がついていない。いつものように死の世界はぼくらを待っている。ぼくらを連れ去ろうと辛抱強く待っている」

これだけ聞いたら今にも彼は自殺しそうです。しかし、「だから生きる目的を探すのだ」というのが本当の結論です。感想の結論もそうなります。

マイケルはインパーソネーターと呼ばれる「なりきり芸人」です。パリの路上でマイケル・ジャクソンの真似をして生計を立てているが生活は苦しくなるばかり。やっと回ってきた老人ホームのショーで、マイケルと同じインパーソネーター、マリリン・モンローになった彼女(サマンサ・モートン)に出会います。

マリリンの幻にマイケルが話しかける。「なにがあったの?」「人生がわたしには苦しかった。うまくふるまえなくて」「また会えるかな」「もちろんよ。でも今は別々の道よ」「心を強くもってあきらめず探し続けて」「でも君はあきらめた」マリリンはウィンクし、てのひらのキスを送ります。

布教するシスターたち

この映画にはもうひとつの物語があります。僻地で布教するシスターたちが、セスナに乗って奥地の村に食べ物を投下するさい、ひとりが空中に投げ出される。彼女は墜落するが一心に祈り、無傷で地面に降りる。

尼僧たちはこの奇跡を布教活動に利用する。奇跡を起こしたシスターの例にならい、数人のシスターはパラシュートもつけずダイブする。ラストでセスナの残骸とシスター数人の遺体が波に洗われている。感想は暗いと言わざるを得ません。

ハーモニー・コリン監督は19歳で「KIDS/キッズ」の脚本を書き、21歳で「ガンモ」を監督しました。詩人としても作品があり、「ミスターロンリー」のマイケルとマリリンのセリフにはとても象徴的、叙情的なひびきがあります。

見逃した方や観れない方は、こちらで現在は観れますので参考にしてください。期間限定なので、最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。

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